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以前白い覆面の記事において、方角によって[つむじ風斬り]のような移動可能連打アビリティのヒット数が変わるという現象を紹介しました。その点についてコメントより開発からの回答を提供いただき、それをもとにいろいろ検証した結果をご紹介します。知っておくと得になる場面があるかもしれません。

白い覆面の記事に追記していたのですが、ペットビルドなのにシステム解説部分があまりに長くなってしまったため、仕様説明の記事として独立して書き残すことにしました。検証が中々楽しかったです。
〇検証
コメントより提供いただいた開発による回答を掲載します。コメント者様、開発者様ありがとうございます。

─────────── 以下引用 ───────────
結論から言いますと、特定のアビリティがキャラクターの移動を伴う場合に起こる現象です。

[つむじ風斬り]は以下のような特性を持っています。

1. アビリティを使用すると、キャラクターが移動する。

2. 該当キャラクターの移動経路にいる敵を攻撃する。

3. 3回の攻撃回数を上記の2項目の結果値に基づいて移動経路の敵に分配する。

上記の事項に基づいて、あなたが言及した現象を説明しますと :

[つむじ風斬り]は計3回攻撃を行うアビリティです。アビリティの使用により前方に1つのタイルを移動しながら攻撃を行う場合、開始地点と到着地点を基準に攻撃範囲が計算されます。すると、3回の攻撃回数を開始地点と到着地点、つまり2つのタイルに分けて配分しなければなりません。攻撃を1.5では分けることができませんので、内部的に特定の条件によって攻撃を1回と2回に分けているうちに生じる現象です。

このような場合、ユーザーに近い方に攻撃回数がより多く配分されるようにすることもできます。 しかし、これはまた別の不満を引き起こす可能性があるので、最終的な解決策ではないと思います。 私たちも正しい答えを出すのが容易ではない状況です。
─────────── 引用終わり ───────────

どうやら[つむじ風斬り]のような移動を伴う複数回ヒットアビリティは、始点と終点、そして経路に移動するごとに可能な限り均等に配分されるという理解でよさそうです。
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このように、間に2タイルある状況で[つむじ風斬り]を使用する場合を考えてみます。この時重要なのはアビリティ使用後にムンゴがいる地点(=終点)とその経路です。経路は赤枠、終点に+マークをつけてあります。このとき始点から終点のタイル数は3タイルなので攻撃範囲である周囲のタイルにちょうど3 / 3 = 1ヒットずつ配分できます。それが各タイルへの移動ごとに発生するため、各タイルへの最終的なヒット数は
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というようになります。この場合はムンゴから見てタイルに均等に割り振り切れるため理解しやすいです。では疑問となった始点から終点が2タイルの場合にこのルールをあてはめると……、
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こうなってしまいます。しかし、0.5回分の攻撃はありえませんので、ここで上記に引用した開発による回答のように、
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という風にゲーム内で表現できる1回と2回の攻撃に分けるしかないということですね。その1,2がどちらに行くかが内部的に決まっているので、マップによって同条件でヒット数が変わります。
それを踏まえて、最初の一般事件で追加検証してきました。
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例えばこのように、ムンゴから見て1タイル先の北に1人、そして背後に1人の敵がいます。回答の説明を知った上だと、この状況で[つむじ風斬り]を使用すると何が起きるか、とてもすっきり判断できます。白い覆面記事で判明している通り、このマップでは北東に偏って2ヒットの配分があります。つまり、前方の敵は2ヒットで倒れ、後方の敵は1ヒットで生き残ります。
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その通りですね。もう少し形を変えてみましょう。
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このように、2タイル先にいる敵に攻撃するとその周辺はどうなるでしょう。回答通りに考えるとこれも予測ができます。
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こうなります。各タイルに1ヒットずつ配分されるため、経路は攻撃が重複して、そして始点と終点だけは1ヒットとなりました。おもしろいですね。
少しややこしいのは、移動するタイルが45°の綺麗な斜めのときです。
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このように、方角的には南東に綺麗な斜め方向に1タイルだとどうなるでしょう。南だけだと1、東だけだと2ヒットですが……、
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結果は1ヒット。つまり、南東や北西のように1,2ヒットが混在する方角のときは小さい方のヒット数になるようです。
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試しに北東でやってみると2ヒットになりました。

他のアビリティについても確かめてみました。
同じく白い覆面の[超つむじ風斬り]です。
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こちらはヒット数は同じで射距離が5になっています。1ヒットで割り切れる3タイルより遠くターゲットをとったときに3ヒットを均等に配分するには少数になってしまいます。
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このような状況ですね。この場合、1タイル当たりの攻撃数はというと攻撃自体は発生しなければなりませんから1ヒットは約束されます。では今までの理屈から言うと、
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という風に、隣接して道中の攻撃範囲にかかっている敵は2ヒットするはずです。それでは実際の挙動を確かめてみましょう。
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各タイル1ヒットとなりました。注目するべきは、始点で隣接していて範囲的に攻撃が重複するはずの敵も1ヒットのみという点です。これからわかることは、ヒット数よりもタイル距離が大きいと、道中の敵にも1ヒットしか確約されないということです。
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ヒット数をタイル数で割って1を切るときには、どの位置でもヒット数は1固定という認識でよさそうです。

では最後にアリサの[回転切断]の場合を見てみます。
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ヒット数5で射距離4なので、必ず配分上は最低1を上回ります。
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この状況は予想できると思います。右側が北です。
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北である前方が3ヒット、後方が2ヒットです。
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こちらはどうでしょう。左が東です。タイル距離は3なので、5ヒットを3で配分する必要があります。
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結果から言うと重複していない始点の敵には1ヒット、終点に2ヒットでした。ということは1,2,2という配分がなされていると予想でき、
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各タイルに発生する攻撃はこのようになると考えられます。こう見ると、この仕様を知っているのと知らないのでは、圧倒的にダメージの出力に差がでることになりますね。

〇終わりに
引用最後の方にある、ユーザーに近い方に多く(または遠い方に多く)配分すると別の不満が出る可能性があるというのも確かにそうだと思います。例えば常に移動先(=ユーザーに遠い方)に2ヒットが設定されると、始点の後方周囲の敵には白い覆面記事のような『血まみれ』コンボは絶対に起こせませんし、その逆も然りです。言い換えれば、方角さえ知っていればプレイヤー側で擬似的にヒット数を自由に配分できる今の方が立ち回りの幅は大きいと言えますね。